2017年2月8日

せん妄

せん妄

せん妄は、老年期に多い疾患の一つであり、
軽度の意識障害(意識混濁)に、錯覚、幻覚、妄想、興奮状態などが加わった症状を指して呼びます。
比較的急速に、数時間から数日間で発現します。

せん妄の症状について

せん妄が発症する原因は、環境の変化や身体状態の変化に関連しています。
具体的には、中毒(アルコール等)、投薬の変更、手術後、熱性疾患、感染症、代謝障害等、大脳に何らかの機能的変化を急性にもたらすものが挙げられます。
よって、せん妄の治療としては、
大脳に影響を与えている原因そのものを取り除くことから始まるとも言えるでしょう。 若年層での発症は、多くの場合、1週間程度の持続で済みますが、
老年期における発症は、その症状の発現そのものは軽度ですが、
長期間に渡って持続してしまう傾向が見られます。

● 次の項目が当てはまる場合には、せん妄が疑われます。

せん妄には、いくつかの種類に分けられています。
その中でも、老年期に「夜間せん妄」、若年層によく見られるのが「振戦せん妄」です。

せん妄の症状について

夜間せん妄」とは、高齢者でかつ認知症に罹患されている方によく見られます。
入院中などによって、睡眠のリズムが乱れ、昼夜逆転からせん妄状態に至ります。
夜中に徘徊したり、精神的な興奮状態に陥ったり、点滴を抜去してしまったりといった異常行動が起こり得ます。
介護者にとっては、昼間だけでなく、夜中まで対応する必要に迫られてしまうため、介護負担がかかり、ストレスが溜まる原因となり易い病気だとも言えるでしょう。

振戦せん妄」とは、アルコール依存症の方が、急激な断酒または減量をした際に現れます。
多くは、断酒または減量後2~4日で症状が現れ、通常3~4日で回復すると言われていますが、
症状の出現にはかなりの個人差があり、断酒または減量後8時間前後で現れる人もいます。

振戦せん妄の主な症状としては、頻脈や発熱、発汗、嘔吐などの自律神経系の症状、
全身の大きなふるえ、意識障害、幻覚などが挙げられます。
特に、振戦せん妄に現れる幻覚は、「幻視」の形をとって現れることが多いのが特徴です。
具体的には、実際には存在しないはずの小動物や小虫、小人が多数見えてきたり、
それらが身体の上に這い上がってくるように感じられたりします。
また、壁のしみが人の顔に見えるといった錯視も起こり得ます。

せん妄の症状について

その他、有名なものとして、救急で搬送された時の「ICUせん妄」や「薬剤性せん妄」等があります。
いずれの症状も、最終的には、深い眠りに入った後、回復します。
しかしながら、低栄養、脱水症状、電解質異常、糖尿病等の重篤な合併症がある場合は、適切な処置を行わないと死亡する危険性もあり、注意を要する病気だと言えるでしょう。