2017年2月8日

全般性不安障害

全般性不安障害

全般性不安障害(generalized anxiety disorder;GAD)は、
昔は、「不安神経症」と呼ばれていた、
様々な出来事や活動に対する、過剰な心配と不安を特徴とする病気です。
その症状が6ヶ月以上続き、
本人や周囲がその不安を抑えようとしても、解消することが出来ません。

過剰な心配と不安が、半年の間に、起こる日の方が起きない日より多く
少なくとも症状が1ヶ月は続きます

この過度な漠然とした不安が、身体の運動系の緊張、自律神経系の過活動、
過度の警戒心
などを引き起こしてしまうため、
普通の日常生活をおくるのにも困難が生じてしまいます。

身体の運動系の緊張は、手足の震え、筋緊張性頭痛、慢性的な疲れとして、
自律神経系の過活動は、息切れ、息苦しさ、動悸、発汗、めまい、頻尿、吐き気、消化器系の異常として、
過度の警戒心は、落ち着かなさ、焦燥感、不眠、集中力の低下、といった症状として現れます。

原因は、職場や家庭内、夫婦間の問題に起因することが多いと言われています。
このように、生活上のストレスが大きく関係している病気ですが、
そのストレスにうまく対処していけば、治りは良く、
一般的には、治療開始から約6ヶ月以内に改善に向かうケースが多いと言われています。

● 以下の項目が当てはまる場合には、全般性不安障害(GAD)が疑われます。

先述のように、この病気には、生活上のストレスが大きく関与していることが多いので、
問題となっているストレスへの適切な対応が、予後を大きく左右します。

慢性的な症状なだけに、発症の原因、つまり「何が不安やストレスとなっているのか」が、
患者さまご本人にも、ご家族にも分かりにくくなってしまっていることがあります。
ですので、出来るだけ早く専門医にかかり、病気の根本的な原因を見つけ出し、
対応策を考えることが大切になってきます。

全般性不安障害

繰り返しになりますが、この病気は決して治りは悪くありません
焦らず、じっくりと、専門医と一緒に取り組んでいきましょう。
投薬カウンセリングといった治療に加えて、
患者さまがご自身の生活の中に、趣味や楽しみ
リラックスの仕方
などを、見つけ出していくことも大切です。

全般性不安障害

また、この病気になられた患者さまの大半は、物心ついた頃からずっと心配性でしたと言われる方が多く、
元来の性格的な要素が影響していることも間々あります。
そのため、患者さまは、治療体験をきっかけに、
ご自身に徐々に自信をつけていかれる作業を行なうことも、
非常に効果的であると言えるでしょう。

 

対人恐怖とは?

社会不安障害

社会不安障害の人々の主な訴えが、
「相手が誰であれ、多くの人の前で話したり、食事をしたりすることが、緊張して辛いというのに対し、
対人恐怖の人々の主な訴えは、
少し知っているけれども深くは知らない」という曖昧な、特に1対1の人間関係に恐怖感を抱くという点が、この両者の一番の違いであると言えるでしょう。

「対人恐怖」という診断名は、世界的には存在せず、日本人に特有の疾病だと言っても過言ではありません。
日本人の場合は、一般に「対人関係の持ち方に対して甘えが強い」傾向があり、
そのため、対人関係が確立しておらず、「甘えられるかどうか分からない」、自分を受け入れてくれるかどうか、はっきりとしない相手に対し、酷く緊張をしてしまい、対人恐怖になりやすいと言われています。

だからこそ、前述のように、少しは知っているが、深くは知らないといった、
曖昧な対人関係にある相手に対して、過緊張や恐怖を感じてしまうのです。

社会不安障害

「人と付き合うのが怖い」という心の根底には、
人に嫌われたくない」、「人に良く思われたい」といった無意識的な思いが影響している場合も、少なくはありません。
人がこのような思いを抱くことは、決して不思議なことではありませんし、日本には、このような心性を持っている人々が多く存在していることでしょう。
そのような人々にとっては、中々難しく、かつ勇気のいることかもしれませんが、
人が自分のことをどう見ようが、自分は自分らしく、マイペースで生きていくんだ!
と思い切ってしまうことが、対人恐怖の克服には、大切なことなのかもしれません。

その他のSAD

上記の「対人恐怖」の他に、次のような症状も社会不安障害(SAD)の一種と言われています。
それが、スピーチ恐怖、視線恐怖、赤面恐怖、発汗恐怖、外食(会食)恐怖、書痙、振戦恐怖、腹鳴恐怖、電話恐怖、排尿恐怖と言われる症状です。

社会不安障害

これらの症状について、皆さんの中には、初めて聞く方も多いかと思いますので、
その特徴を、一つひとつ簡単に述べていきたいと思います。

・スピーチ恐怖人前で発表やスピーチをすることに対して、緊張や不安を感じたり、息苦しさや震えなど、 身体症状が出たりしてしまいます。

・視線恐怖人と目を合わせることが怖く、「見られている感じ」が常にしてしまいます。

・赤面恐怖実際に赤面をしてしまったり、「赤面するかもしれない」という恐怖や不安を抱いてしまいます。

・外食恐怖食べている姿を人に見られることに、緊張や不安を感じてしまいます。他にも、緊張のあまり、 食事が喉を通らない、食事の音が気になる、時には、「美味しく食べないといけない」という強迫観念に駆られてしまうことすらあります。

・書痙結婚式やお葬式の受付や、ホテルのチェックイン時など、人に見られていると文字を書く手が、極度に震えてしまいます。

・振戦恐怖人に見られていると手が震えてしまい、コーヒーやお茶を出す時などに、緊張や焦りを感じてしまいます。

・腹鳴恐怖人前でお腹が鳴ることに対して、極度の緊張や不安を感じてしまいます。そのことが気になるあまり、他のことに集中できなくなったり、講演会やコンサート会場に行けなくなってしまったりもします。

・電話恐怖電話に出ると声が震えてしまいます。他にも、電話のベルが鳴っただけで、不安や緊張を感じてしまったり、電話中に「周囲に話を聞かれているのではないか」と思い、話に集中できなかったりします。

・排尿恐怖男性の方特有で、横に人がいると小用ができなかったり、女性の方でも、トイレに人が並んでいると、排尿に対し、極度に焦りを感じたりしてしまいます。

社会不安障害

上記のような不安(恐怖)は、軽いものであれば、一度は誰しも経験したことでしょう。
しかし、その不安により、生活や仕事といった日常生活に支障をきたす程度にまでなると、それはご本人にとって、大変つらいことだと言わざるを得ません。

これらの症状は、薬剤や心理療法により治療可能なものであるということを、皆さんには今一度、知っていて頂きたいと思います。