2017年2月8日

強迫性障害

強迫観念とは、「ある一つの考えやイメージが繰り返し浮かんできて止められない」ことを言います。
強迫観念の内容は、汚染や感染に関するもの(不潔恐怖)、暴力に関するもの、
秩序やシンメトリーに関するもの(不完全恐怖)、宗教(あるいは良心)に関連したもの、
性的な事柄に関するもの、貯蔵・所蔵に関するもの(収集癖・整理整頓強迫)、
反復儀礼に関するもの(縁起恐怖)、無意味な疑いとしての強迫観念、
迷信に対する不安などが挙げられます。
これらの中でも一番多いのは、約4割を占める“不潔恐怖”です。

強迫性障害

強迫行為とは、「ある行為を延々と続けなければ気が済まない」ことを言います。
強迫行為の内容には、確認行為、洗浄や清掃に関する強迫行為、儀式的行為、整理整頓行為、貯蔵や収集行為、物を数える行為などが挙げられます。
これらの強迫行為の中で最も多いのが、ガスの元栓を閉めたか、鍵をかけたかなどを、何度も確認する“確認強迫”と、手を洗い続ける“洗浄強迫”です。

本人は、これら強迫観念・強迫行為に対して、「無意味なことだ」「バカバカしいことだ」と、頭ではきちんと理解しているし、分かっているのです(これを「自我違和感」と言います)。
しかし、どうしても強迫観念が浮かんできてしまい、
それを打ち消すために、強迫行動をせずにはいられないのです。

強迫性障害

中でも、不潔恐怖と洗浄強迫の併発が多く見られます。
手が赤く腫れ上がり、皮膚がカサカサになっても、
何時間も手洗いを続けなくては落ち着かないといった人がいる一方で、
何もしなければ洗う必要も無くなるので、
室内に閉じこもりきりになり、物に全く触れなくなり、
入浴や着替えを一切せず、不潔な生活を送っているという場合もあります。

次の項目の全てが当てはまる場合には、強迫性障害(OCD)が疑われます。

【強迫観念と強迫行為の関係性】を図で表すと下図のようになります。

強迫性障害(OCD)

一般に、「強迫性障害は治りにくい」と言われています。
何故なら、本人としては、強迫行為を行なえば、一時的にではあれ、気持ちは落ち着くからです。
従って、日常生活に支障をきたすような段階になって、ようやく来院するといった場合が多いのです。
このように、治療が遅れてしまうことが、強迫性障害を慢性化させ、
治療を困難なものにする、最大の原因となっているのです。