2017年2月8日

統合失調症

統合失調症(Schizophrenia)は、かつて精神分裂病と呼ばれていた心の病です。

その昔、統合失調症は、「不治の病」と見なされていました。
しかし、1950年代にクロルプロマジンという薬が開発され、その後、さらに有効な薬剤が次々と誕生していったことにより、今では「治療できる病気」として、通院によって治すケースが増えてきています。

統合失調症は、全人口の約1%が罹ると言われており、これは世界各国どこにおいても、またいつの時代においても、殆ど変わりません。
発症のしやすさに関しては、男女差はありませんが、最も発症し易い年齢(=好発年齢)は、男性が15~25歳、女性が25~35歳と言われています。

統合失調症の症状は、きわめて多様で複雑なものです。
その症状は、普通にはあまり見られず、一見して奇異な様相が見られる「陽性症状」と、精神的なエネルギーが減退・枯渇したかのような印象を受ける「陰性症状」に、大きく分けることが出来ます。

統合失調症の陽性症状の中でも、特徴的な症状として挙げられるのが、現実と非現実の区別がつかなくなり、妄想や幻覚・幻聴が現れてくる点です。

統合失調症の症状について

一口に「妄想」と言っても、その内容は様々です。
「家の電話機に盗聴器が仕掛けられている」といった被害妄想、「テレビや新聞が自分のことを言っている」といった関係妄想、「テレパシーに命令される」といったテレパシー妄想等が挙げられます。

また、幻覚の中で最も多いのが「幻聴」であり、「自分の悪口を言う声がする」「自分に何か指令してくる声が聞こえる」といった訴えが見られます。

加えて、思考にまとまりがなく、時として離滅裂とも取れる会話をしてしまうことがあります。

統合失調症の陰性症状の具体的な特徴としては、感情が自然さを失って平板になり(感情の平板化)、全く何も感じていないかのように表情が無くなります。
また、仮に表情を見せたとしても、その場にそぐわないものであったりします。
そして一般に、陰性症状の方が、その予後(疾患の見通し)はあまり良くありません。

● 次の項目が当てはまる場合には、統合失調症が疑われます。

なお、統合失調症は、その症状により5つの病型に分類されています。
それが、妄想型、解体型(破瓜型)、緊張型、残遺型、鑑別不能型と呼ばれるものです。
その特徴をまとめると、以下のようになります。

病 型 特 徴
妄想型 思考の大部分を妄想が占めています。
解体型(破瓜型) まとまりのない会話や行動、平板化した感情が見られます。
緊張型 急に身体を硬くして動かなくなったり(昏迷型)、文字通り興奮して、 思考や行動がまとまらず、大騒ぎしたりする(興奮型)ことがあります。
残遺型 統合失調症に掛かった後に見られる症状で、いわば“後遺症”です。 感情の平板化、強い自閉性といった特徴が見られます。
鑑別不能型 上記のものの内、どの分類にも属さないものを指します。

統合失調症の症状について

統合失調症は、慢性かつ進行性であり、時には人格の荒廃にまで至る病気です。
発症年齢が若いほど、遺伝的要素が大きいほど、予後は良くないとされています。

治療は、抗精神病薬の投与といった薬物療法が中心になります。
現代医学をもってしても、“完治する”とは言い切れない病気であり、
継続的な抗精神病薬の服用は欠かせません。
この時、初期の方が慢性期よりも、陽性症状の方が陰性症状よりも効果は高いとされています。

薬物療法と併せて、社会的技能訓練(SST)をはじめとする行動療法や、
支持的な個人療法(個人カウンセリング)や家族療法、集団療法といった心理療法を併用することで、
症状を持ちながらも社会復帰することは十分可能になるとされています。