震災時の栄養摂取について【品川区心療内科・J戸越銀座クリニック】

J戸越銀座クリニックは、品川区 五反田からすぐの心療内科(メンタルクリニック)です。

「うつ病」などのこころの病で根本治療を希望される方はご相談下さい。

「心と体」はつながっています。

今回も「心」を元気にするための「体サポート」についてお話していきます。

 

2月も中旬に入り、そろそろ花粉の影響が出始めている方も

いらっしゃると思います。先日のブログでお話させていただいた

「花粉症の栄養対策」はお役に立てていますでしょうか?

辛い症状を少しでも和らげることができればと願います。

 

さて、3月が近づいてくると思い出すのが、「東日本大震災」です。

あれから7年が経ちますが、毎年この時期になると多くのメディアで

取り上げられることから、私たちは改めて震災への備えが大切である

ことを思い出します。

 

境界線・希望と絶望

「もう7年?」「ようやく7年・・・」というように、感じ方は人それ

ぞれかもしれません。この震災を機に災害時における栄養対策や心のケア

について、多くの専門雑誌や講演会で取り上げられるようになりました。

 

中でも、原発事故による放射線対策については、いまだにさまざまな議

論がくり返されています。今回は、災害時における食事やストレスなどの

状況の変化に対する、栄養対策の重要性について考えてみたいと思います。

少しでも参考にしていただければ幸いです。

 

■震災時の食事状況における問題点と栄養対策

 

通常、震災発生直後には救援物資の支給が追いつかず、数日間は備蓄食

料のみで過ごさなければならないような状況に陥りやすくなります。こ

の時期は、水や乾パンなど空腹を凌ぐための非常食があれば良いという

状態です。

 

ようやく救援物資の支給が始まると、おにぎり、パン、カップラーメン

などの主食(炭水化物)メインの食事ができるようになり、徐々に救援

物資の種類が増えてくると、弁当や缶詰、インスタント食品、レトルト

食品などへ広がっていきます。そして、炊き出しが開始されると、少し

ずつ調理された食事を食べることができるようになりますが、食材や料

理の種類にも制限があります。

 

避難生活では輸送や保存の問題から、野菜、果物、タンパク源(肉、魚、

卵、大豆製品、乳製品)などの生鮮食品が不足し、加工食品が多くなる

傾向があります。これにより、炭水化物(糖質)や脂質、塩分の摂取量

が多くなり、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維等が不足がち

な栄養状態に偏りやすくなってしまいます。

 

特に、ビタミンB群やビタミンCは野菜や果物、魚、肉などの生鮮食品

を供給源とすることが多いことや、水溶性ビタミンなので排出されやす

いという理由から、震災時に不足しやすい栄養素です。

ビタミンB群、ビタミンCは、過剰に摂取した糖質や脂質を代謝して

エネルギーに代えていく為に必要不可欠な栄養素なので、不足することで

疲労感や口内炎、冷え、免疫力の低下などの体調不良が起こりやすくなります。

 

震災時のような高ストレス状態では、多くのエネルギーが必要になると

共に、抗ストレスホルモンの材料である良質タンパク、ビタミンC、ビ

タミンEの消費量が増加しますので、ここでも水溶性ビタミンであるビ

タミンCの必要性が高まります。

 

実際に被災地では、立ちくらみ、疲労、口内炎、風邪、ストレス性胃炎、

食欲低下、嘔気、便秘、下痢、貧血、むくみ、脱水、エコノミー症候群、

外傷後ストレス障害(PTSD)、不眠などのようにさまざまな体調不

良が訴えられるそうです。この背景には、栄養不足、代謝機能の低下、

免疫力の低下、過度なストレス、水分不足、冷え、血流障害(運動不足)

など多くの要因が考えられます。

 

震災時の栄養については、以上のような問題点を把握した上で今後の対

策を考えていく必要があると思います。まず、『ビタミンB群、ビタミ

ンC』は震災直後に必要量が増加する上に不足しやすい栄養素なので、

より一層強化して補う必要があります。

さらに避難生活の状況によっては、長期的に『良質タンパク、脂溶性ビ

タミン、ミネラル』なども不足傾向になっていくことが考えられます。

 

しかし実際問題として、避難中の食生活(救援物資や炊き出しなど)で

は、これらの栄養素を不足なく補うことが難しいというのが現状だと思

います。

 

ですから、そんな時こそ“サプリメント”という形態で強化していく必

要があるのではないかという意見が多く出てきています。

 

実際に7年前の震災でも、被災地への救援物資の中にサプリメントが

寄付されたケースも多くあったそうですが、中には現場の医師が受け

付けてくれなかったという問題点もあったようです。

 

日頃からサプリメントを利用されている皆様の場合、緊急時にもそれらが

お役に立つ場合があると思います。

 

特に、水分の供給が少ない時には、口の中で溶けるタブレットタイプの

ビタミンB群やビタミンCだけでも用意していると非常に役立ちます。

しかし、どうしてもサプリメントに抵抗がある方は、増えるわかめや海苔、

ゴマ、乾燥シイタケ、高野豆腐などの乾物を日ごろから活用しながら

ストックされていると、震災時に救援物資として配布されたお弁当に加える

だけでビタミン・ミネラルなどの微量栄養素を強化しやすくなります。

ぜひ、乾物のストックを忘れずに行ってみてくださいね。

「ゴマとすり鉢ゴマとすり鉢」のフリー写真素材を拡大

 

東日本大震災の経験によって、今後の震災における栄養対策が少しでも

見直されることを願っています。

 

最後になりますが、被害に遭われた皆様の受けた心の傷は、7年という

短い期間で癒せるようなものではないと思います。しかしながら、これ

から時を経て皆さまの心と体に少しずつ穏やかさが戻って参りますよう

に心よりお祈り申し上げます。

 

Presented by. J戸越銀座クリニック