PTSD

三陸沖を震源とする未曾有の大震災が起こってから、もうすぐ3か月がたとうとしています。

「直接被害を受けたわけでもないのに、テレビで津波の映像が流れるとパニックを起こしてしまう」

「また地震が起こるんじゃないかと思うと、あの日以来、夜なかなか眠つけない」

このような症状にお困りの方は、実はPTSDを発症した可能性があります。

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい,Posttraumatic stress disorder)の略語です。

災害や事故、犯罪被害など、何か命をおびやかされるような体験をされるか、そうした場面を近くで目撃されるかして、非常に強い恐怖心を感じた方が、その後以下のような状態を示した場合、PTSDと診断される可能性があります。

●被害にあった場面を、脈略もなく繰り返し思い出してしまう。しかもその内容が、まるで同じことが再び起こっているかのように、生々しく、おそろしい。

●被害にあった場面を、繰り返し夢に見てしまう。そのため、夜なかなか寝付けなかったり、寝ていても途中で目が覚めてしまったりする。

●被害にあった場面を思い出させそうな場所や物、人、会話などを避けようとするあまり、日常生活に支障をきたしてしまう。

●やたらと警戒心を抱いてしまったり、ちょっとしたことで怒りが爆発してしまうなど、被害にあう前にはなかった精神的不安定さがある。

●逆に、被害にあう前と比べると、痛みなどの感覚や恐怖などの感情を感じにくく、現実感が乏しい。

実は、PTSDの診断においては“3か月”は大きな区切りとされており、上記のような症状の持続期間が3か月未満なら「急性PTSD」、3か月以上なら「慢性PTSD」と診断されます。

つまり精神医学では、何か大変な体験をされた後に上記のような症状が出たとして、その持続期間が3か月未満か3か月以上かでは、その後の回復のしかた(治療のむずかしさや期間など)が大きく違うと考えられているのです。

なお、PTSDは実際に被害にあわれた方や、そうした被害を目の前で見た方だけでなく、テレビやインターネットなど、メディアを通じての間接的な体験をされた方にも、発症することがあります。

ですから、今回の震災後に上記のような症状が出てきたんだけど…という方は、一度精神科の受診をおすすめいたします。